初投稿させていただきます。
私はたつがね山に近いところに住んでいる者です。
今から10年ほど前の話になります。
私はまだ学生で原付の免許をとりたてで、
毎日自分の町で楽しいことを探しにバイクを走らせる毎日でした。
田舎町にそんな興味をひくところも実際ない中、
学校でこんな噂を耳にしたのでした。
田束山の頂上に廃屋があり、
その中に私の友達が肝試し感覚で入ったところ、
霊的な現象に見舞われたというのです。
その内容は、2階に(その廃屋は3階ほどあります)登ったところ、
1階から物音がしたそうです。
その話を聞いた私は、『なんだ所詮その程度かよ』、と鼻で笑っていました。
しかし、その話には実は続きがあったようです。
後で聞かされたことですが...
そんな面白そうな!?話を聞いた私は、
嫌がる仲間を引き連れて田束山の頂上めざしてバイクを走らせました。
今から身の毛もよだつ体験をするとも知らずに...
人数は私を含めて3人、私以外はそういう霊的なことを
とても恐れている2人でした。
それでもなかば強引につき合わせました。
流石に一人で出向くほど私は肝の座った人間ではなかったようです。
しばらくバイクを走らせると見えてきました、田束山荘です。
恐怖と外観の荒れようから自然に体が小さくなったように感じました。
建物入り口にさしかかると、そこにはウェルカルの札をさげた
怪しげな人形に迎えいれられました。
恐らくは前に肝試し感覚ではいった心無い人の悪戯でしょう。
ガラスの破片の散乱するその入り口を通り、いざ山荘の中へ...
中はたしかに荒れているものの、そんなに恐ろしい
雰囲気ではありませんでした。
期待していた雰囲気とは違う気持ちになった私は、
調子に乗って我先に問題の2階の客室をしらみつぶしに開けて、
異常がないか確認して回りました。
結局、何も起こらないことに失望すら感じながら廊下を歩いていると、
2階に空中風呂というものが案内標識に出ていました。
この空中風呂に行ってみようという話になり、
私たちは3階の空中風呂へいきました。
私の意見もあり、入るのは女風呂になりました。
私の性別が男なのでその辺はご理解いただけると幸いです。
私とほか2名は女風呂へ一緒に進みました。
中には眺めの良い空間が広がっていました。
私は『こんな素晴らしい景色の山荘なのに、
どうして営業をやめてしまったのだろう』
などと景色を見ながら疑問を感じていました。
ふと我に返り、
『男風呂はどういう作りになっているのか!』
気になった私は何気なく女風呂から男風呂を仕切りごしに覗きました。
『なんだまったく同じ作りじゃないか。』
そう思いながら女風呂に足が戻った時です!!
ガンガンガン、
窓を叩く音が聞こえました。
『???』
私の友達は窓の目の前に二人並んで立っていました。
一人の友達が、
「こんなときに悪ふざけは止めてくれよ!」
と隣にいたもう一人の友達に話しかけました。
ところが!!
「なに言ってんの?俺はなにもしてないんだけど!」
と、もう一人の友達は言いました。
私も、
「はあ!?どうしたの!?」
などと意味が分かりませんでした。
しかし!
ガンガンガン、ドンドンドン、
二人の友達のすぐ後ろの窓が激しく鳴り響きだしたではありませんか!
二人の顔色がみるみる青くなっていきました。
『うわ〜』
言葉にならない悲鳴を挙げながら、
二人は一目散に逃げました。
私もただならぬ気配を感じたので、
2人のあとを必死で追いかけ、
近くの広場でようやく追いつき、
「今のは一体なんだったんだろう?」
などと話しかけましたが、しばらく放心状態が続きました。
その日は風などはまるでなく穏やかな日だったので、
窓がガタガタすることも皆無に等しい環境だった、
と3人口をそろえて話し合いました。
そうです! 噂話の続きは3階の空中風呂にこそあったのでした。
真相を確かめるために、
後日、私は違う友達と空中風呂へ懲りもせず行きました。
今度は反対の男風呂に行きました。
しかし、やはり女風呂の窓ガラスが音を出しました。
だんだん強く、はっきりした音になってくるので、
その場にははっきりいってとどまることができません。
最後の結末は分かりませんが、
私の予想では命の保証がないか、
精神的に犯されるかのどちらかではないかと思っております。
十年間秘密にしてきました。
それだけ強烈な印象です。