わたしが小学5年生あたりだった頃、確か雨の日だった。
Aという同級生と遊ぶ約束をしていて、気乗りしないまま家を出発した。
Aの家とは反対方向に、ひとつ自販機がある。
そこはアタリがでるともう一本!という気の利いたサービスの
ようなものがあり、『当たればAにも持っていってやるか。』と思って
自販機のジュースを買った。
勿論外れた。
その自販機の向いている方角を真っ直ぐ突っ切るとAの家がある。
しかしその道は、ボロボロな雰囲気の漂う家が密集しており
わたしはそこを進む事をためらった。
だが遠回りしてもせっかくの服とジュースが汚れるだけ...
仕方なくわたしはその道を選んだ。
しばらくいくと、アパートのようなものが出来ていた。
確か木造だったと思う。
『大きいな、』となぜか感心しながら、
わたしはアパートの小さな庭のようなところに到達した。
ふと、
庭から目を離し目の前の入り口らしきガラスの戸を見ると、
わたしが写っていた。
左肩に見知らぬ女の首をつれて。
窓の向こうのわたしはキョトンとした顔で左の肩にのっかった女の首を
見つめた。
すると女の顔が 『にやり』、と動いた。
その後はよく覚えてないが、 そのままAの家に走って逃げたんだと思う。