今から16年前の暑い夏の夜の話です。
私自身、3回目の心霊体験だと思われる出来事でした。
当時、学生だった私は、泉区の某ファーストフード店でバイトをしていました。
その店舗の間取りは、1階の幹線道路側が客席でレジカウンターと厨房、
階段を上がり2階は、その大部分が客席で奥に男女別のトイレと
バックルームの配置となっています。
私は、19時から24時過ぎまで、
厨房作業と閉店後の厨房機器の分解洗浄作業をするバイトをしていました。
22時が閉店で、その時間を境に女性のカウンター専門のバイトは帰り、
その日の売上報告をする社員1人と厨房機器の洗浄等を行う
4人のバイトが24時過ぎまで残って働いていました。
全員が作業を終えると、店舗の内外の清掃専門のバイト2人が出勤してきて、
2階のバックルームで計7人でくつろいでいました。
深夜、男が7人も集まると猥談がはじまって、
爆笑で盛り上がっていましたが、社員の人がウケない話をしまって、
一瞬の沈黙状態になってしまいました。
その時、バックルーム横のトイレのドアが「バタン」としまる音がしました。
その途端、全員が
「泥棒だあ!」
と叫び、一斉にトイレのドアの前に立ち、
各人がパイプ椅子や泥棒と応戦できる武器になるような物を持ち、
先輩バイトの合図で踏み込みました。
男女それぞれのトイレの中には誰もいませんでした。
トイレ内の窓も施錠されていて、窓の外側には面格子がついているので、
仮に逃げようとしても絶対逃げられない構造になっていました。
先輩の一人が
「1階だあ!」
とひらめいたように叫ぶと、
また全員で1階に全力で下りて行きました。
しかし、1階の隅々を探しましたが、
2階のトイレ同様、社員とバイト以外、誰もいませんでした。
念の為、施錠状況も確認しましたが、全部のドアが施錠されていました。
捜索時間は2〜3分で、2階のトイレから1階に到達するまでは
30秒もかかっていませんでした。
泥棒ではなかったと全員安堵し、2階のバックルームに全員が戻りました。
清掃専門のバイトの1人が、
「この店の幹線道路を挟んで向かい側は旧仙台藩の処刑場の跡地で、
店舗の建っているこの場所に、処刑される罪人達が
この世の最後のお茶を飲ませる茶屋が建っていた噂を聞いた事があるんだ」
とつぶやきました。
それを聞いた途端に全員の表情が固まり、
その夜は全員、家に帰りませんでした。