高校生の時でした。
バスケ部に入っていた私は全県大会でA市へ遠征していました。
明日が一回戦だという夜、私は久しぶりに歯が痛くて眠れなくなりました。
それまでは全く何ともなかったのですが、
急に痛み出して明け方までまんじりともせず一夜を過ごしました。
翌日、寝不足の頭では監督の指示も理解できず、
案の定一回戦敗退で実家に戻りました。
「負けたぞ〜!」
と玄関を入ったとたん、母が
「夕べ何かなかった?」
と尋ねます。私は
「珍しく歯が痛くて眠れなかった」
と答えました。
すると母は
「それでか・・・」
とつぶやくのです。
私の母は結構霊感が強く、入院しているときに
(寝たきりで動けないはずの)祖母のお見舞いを受けたりするなど
不思議な体験をしております。
その母が言うには、昨夜(私が遠征先の宿で歯痛に苦しんでいた夜)、
父とコタツで「金曜ロードショウ」(古いですね)を見ていたのですが、
そのまま寝入ってしまったそうです。
どれくらい時間がたったのか定かではありませんが、
母がふと目を覚ますとテレビは砂の嵐状態だったそうです。
隣を見ると父も高いびきで寝ています。
母は
「布団で寝るべ」
と父の方に手を伸ばしました。
ところが、その手を母の肩越しから伸びてきた誰かの手が
ガシッツとつかみ引き戻そうとします。
母は
「何故?誰が?」
と驚き、振り向きました。
そこには、母の枕元に正座をして母の手をつかんでいる私がいたそうです。
母は
「どうしてここにいるの?」
と聞いたそうですが、そこに座っていた私はただ冷たく母の顔を
見下ろすだけだったとのことです。
その後は何事もなく現在に至っております。
しかしながら、歯痛で眠れなかった日と私が母の枕元に座っていた日が
同じだってことが、(仮にそれが母の夢であったとしても)
奇妙に一致していたことが、
『この世には何か説明のできない事象が存在
しているのでは...』
という思いにつながっております。