学校というものにはお決まりのように怪談がツキモノです。
もちろん私の母校も御多分にもれず・・・
私が通っていた大学は
学科によってはピアノを弾き語りできないと卒業できない学校でした。
その為、音楽棟と呼ばれる建物内には
アップライトピアノが置かれてるだけの狭い練習室が連なってありました。
私はあの日、数日後に控えた何年目かの音楽のテストのため
無駄なあがきをしに練習室にやってきました。
私と同様に慌ててきた連中、
最後の確認とばかりに安定した演奏を聞かせる者...
そんな方々に場所を占拠され、午後3時ごろにやってきた私は
いつもの場所を取ることが出来ず仕方なく別の場所に移動することにしました。
上の階にも同様の練習室があり、こちらは数名の先客を除けば空いていたので、
私は一心不乱に練習しました。
『年に一度しか履修できないこの授業...
ここで落とすと卒業予定年に取り直しになる...
それだけは避けねばならない。』
そんな気持ちで練習を続けると、時間だけあっという間に過ぎていきました。
私の技術の上達は伴わずに・・・
と、そろそろ集中力が切れてきました。
この部屋の脇は教育棟に向かう近道になっているため、たまに人が通っていくのですが、
その歩く影が気になりだし、私はその日の練習をあきらめました。
『やはり、付け焼刃の練習ではどうにもならない。
せめて、今年は去年と違い逃げる事なくテストに出よう。』
そう心に決め部屋を出た瞬間にある事に気がつきました。
『今日俺が練習していたのは2階だ!
窓の外を歩いてた奴は誰だ!?
身長5mの大男?、そんな奴いるわけは無い。』
この場所が、お約束の学校の怪談のひとつになってることは知っていました。
『なにも夕方から出ることは無いでしょ・・・』
そう思いながら、私は逃げるように音楽棟を去りました。
その後、私は何とかテストに合格し二度とそこに行く必要は無くなりました。
今でもそれがなにかわかりませんが、とにかく不気味でした。