友人と竜ノ口渓谷に行こうということになって、
八木山橋の下に行ったことがあります。
川をさかのぼっって八木山橋の下に来た時、
どちらからともなくもっと上流まで行こうということになり、
さらに渓谷をさかのぼっていきました。
なんだか途中で同じ道(川)を引き返すのも芸が無いのでかなり上流に行ってから、
岸の崖(両岸はかなり険しい崖になっています)を登って山の中に
分け入ったのがいけませんでした。
山の中をうろうろしているうちに方向が分からなくなり、
迷ってしまったのです。
ちょっと散歩代わりの自然探索に行くつもりだったので、
スリッパをつっかけて行ったのですが、
崖を登る途中でそれを下に落としてしまい、裸足でさまよいました。
遠くのほうからは八木山ベニーランドの楽しそうな音楽は
聞こえてきたりするのですが、方向がさっぱり分かりません。
行き先は誰にも言って来なかったし、行方不明になるんだろうか、
こんな街の近くで遭難というのもかっこ悪いし…とか、
藪を掻き分けながら色々考えてしまいました。
そうこうして、かなりの時間さまよった挙句やっと宮教大の上にあるゴルフ場の
コースの中に出たのでした。
ゴルフをしている人に出会った時は、ほっとしましたが、
藪から突然出てきた私と友人を見たプレーヤーの人はさぞかし不思議に
思ったことでしょう。
恥ずかしさとほっとした気持ちを抑えて何食わぬ顔でゴルフ場から出た私たちは、
さらに何食わぬ顔で宮教大前からバスに乗り、川内まで帰ってきたのでした。
私なんぞはずーっと裸足でしたからゴルフに人たちやバスに乗っていた人たちは
なんと思ったでしょう。
今思い返せば、崖を登る前に途中から引き返し、
沢伝いに帰れば何事も無かったのでしょうが、
私たちは何かに魅せられたように上流へ上流へと登っていき、
崖を登って帰ろうとしたのでした。
八木山橋から飛び降りた人たちの霊が、
私たちを自然の迷路へと誘ったのでしょうかね?