#21 おばあさん


提供者:てるるさん
体験者:てるるさんとその彼女
場 所:青葉区澱橋付近
掲載日;(97/10/25)

広瀬川の澱橋付近の河原でおきたはなしです。

去年(1996)の8月くらいのことです。
午前0時をまわった頃、僕と彼女は、花火を持ってそこへ向かいました。
うちから歩いて5,6分のそこは、 小さな土手があるため家々からこぼれる光もあまり届かず 薄暗い場所だったと思います。
歩いていったため、そのころには目が慣れていて、なにも見え ないということはありませんでした。

そして前日に友達がおいていった余った花火を始めました。
花火はそんなに残ってなかったのですぐに終わってしまいましたが、 夜の河原はとても涼しく、 気持ちがよかったので二人で階段に座って話をしていました。
そのうち僕はふと川を見たくなりました。
その河原の土手は二段になっているので僕らの所からは川は見えないのです。
そこで仕方なく土手を下っていきました。
そこは、目が闇になれている僕らでさえ、 目の前の生い茂った雑草以外にはなにも見えず、 川の流れる音だけしか感じることができませんでした。
仕方なく、彼女の手を引いて、また土手を上り始めました。
転ばないように、足元だけを見て上っていき、 そして最後の一歩を踏み出し、前を向くとそこには 腰の曲がったおばあさんらしき人間がたっていました。
はっと思って立ち止まると、そのおばあさんは牛越橋の方へ歩いていきました。
僕と彼女はびっくりしておばあさんを見ていましたが、 ただ散歩している人なんだろうと思ってほっとしました。
しかし、僕は何となく気になって振り返ってみると、 そこには誰もいませんでした。

そのときに急にPHSのベルが鳴りました。
おそるおそる電話にでると「ツーツー」とすでに電話は切れていました。
じつはPHSはそのころに買ったもので、 その番号を知っている友達はまだほとんどいませんでした。

翌日そのことを友達に伝えましたが、誰も電話をかけた覚えはないそうでした。
腰の曲がったおばあさんがそんなに早く歩けるはずもないし、 そこには土手に沿って小道が一本走っているだけなので、 どこか別の所に行くとは考えられません。

いったいどこへ行ってしまったのでしょうか。
あのときの電話はただの偶然だったのでしょうか。
これは、僕が初めてあった不思議な体験です。


追加画像
  • (2000/06/17) 1999/06/20 Staff撮影

    #1. 河川敷
    澱橋下の河川敷です。